2018年5月29日(火) 河北新報に未来新聞を題材とした記事が掲載されました。

 遠野みらい創りカレッジの「未来新聞プログラム」で作成した記事を元に現実の「天空ウエディング」として実現させた内容の記事が、2018年5月29日の河北新報に掲載されました。
単なる思いつきや妄想が未来新聞を執筆することによって具体的な活動へとつながった内容です。

 昨年6月、遠野を一望できる高清水展望台で「天空ウエディング」が行われた。ある研修で出会った仲間たちによる手作り結婚式だ。花嫁はその研修をサポートしていた「遠野みらい創りカレッジ」のスタッフ。この天空ウエディングにたどりつくまでの時の流れに、見えない糸で引き寄せられたつながりを感じている。
 一つには、東日本大震災の2年後、震災復興を支援していた企業が私の住む地域の中学校跡地を利用して「遠野みらい創りカレッジ」を開校した。彼女は地元の役に立ちたいと、都心での仕事を辞めてそこのスタッフとなった。
 二つ目には、そこで「未来新聞」の独自手法を開発した森内真也氏に私が出会ったことだ。その手法による「未来新聞Ⓡ」は、実現したい出来事に未来の日付を付けて、それが現実に起きたかのように新聞記事形式で書く。具体的な情報や活動を書き加え、漠然としたアイデアが必然的なものになるように考えを進めることができる。体調を崩し教員を辞め、第二の人生どう歩もうか迷い、農家民宿を夢見ていた私は、未来新聞を書きながら起業することにした。
 その4年後、未来新聞Ⓡ3期生として、今度は「高清水展望台から見える雲海を新たな観光名所にする」をテーマにした記事「新たな自分を見つける天空カフェ建設」を書くことになった。
 県内外からさまざまな企業人が集まるこの研修では、各社の特徴を生かしながら、ポジティブな思考で突飛な天空カフェ構想にアイデアを出す。その記事の中では、5年後に天空カフェで結婚式が行われた架空のストーリーが出来上がり、大きな達成感と仲間との連帯感が生まれていた。
 研修後、偶然にも冒頭のスタッフの女性が結婚した。天空から届いた絶好のタイミング。地元に貢献する彼女を祝福したいと集まった面々は、未来新聞Ⓡに関わったおせっかいな女性たちだった。
 花嫁花婿を天空へ運ぶ天空ウエディング号タクシー、天空チャペル、結婚式を撮影するドローン隊、趣向を凝らした披露宴。遠野の自然に包まれての挙式は、妄想の未来新聞Ⓡが実現され、諦めず行動を起こすと願いが叶うことが証明された。出来ないという心の殻を破り未来を信じて進むと、仲間の心の殻に穴が開き互いに信じて前へと進む。職種が違えど志を共にし未来を創る仲間と出会えたことは大きな財産だと感じている。私たちはこの仲間をOSK(オセッカイ)と呼んでいる。結成以来小規模だがさまざまな活動をし、遠野で生きることを楽しんでいる。
 人生、つらいこと悲しいことにぶち当たることは多々ある。そんな時、小さくもポジティブな思考が未来を変えることもある。
 田舎に若者が残るためには、「仕事とコミュニティーと未来」の三つに希望が持てることが必要だと聞く。未来を担う子どもたちには、未来の自分がワクワクしながら仕事をし、暮らしを楽しんでいる様子を想像し前を向いてほしい。そのために、まずは身近な大人が未来の夢を語っていたいものだ。
2018年5月29日(火) 河北新報 に掲載された原稿を大森友子さんの提供していただきました

 ここで、河北新報さんに掲載された「私」である大森友子さんが「未来新聞プログラム」で発表された「新たな自分を見つける天空カフェ建設」の内容 2022年5月5日の未来新聞「新たな自分を見つける天空カフェで雲海コーヒーを」の原稿もご紹介したいと思います。

 未来新聞では、高清水展望台に「天空カフェ」をつくるというアイデアがまとめられています。未来新聞の時点ではまだ直接的に「天空ウエディング」について言及されている訳でありませんが、スタッフのご結婚を期にこの記事を読んだ「遠野みらい創りカレッジ」のみなさんが高清水展望台での天空ウエディング実現にむけて動き、実際にそれが行われました。OSK(オセッカイ)の皆様はご苦労されたかと思いますが、「天空ウエディング」を現実に成し遂げられたことに敬意を表したいと思います。

未来新聞プログラムで発表された未来新聞記事(提供:大森友子さん)
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